3/05/2017

東北農民管弦楽団 第4回定期演奏会


東北農民管弦楽団 4回定期演奏会 天童公演
2017.03.05, 13 30分開演 / 天童市市民文化会館

はじめてお邪魔した東北農民管弦楽団の演奏会.
今日のステージは天童市出身の佐藤正宏さん(WAHAHA本舗)の司会で和やかに始まった.

どこか初々しいチューニングに続いて始まった1曲目は, ドヴォルジャーク(プログラムの表記のママ)作曲・ピッピフ作詞 混声合唱と管弦楽のための「チェコ農民讃歌」(日本語歌詞).
日本初演だという.
ステージ上に乗るのは約50人の老若男女によるオーケストラと, 130人の合唱隊だ.
農民の誇りと大地の豊かさを讃えたうたが, たっぷりと熱く奏でられた.

2曲目は佐藤眞作曲・大木惇夫作詞 混声合唱とオーケストラのためのカンタータ「土の歌」.
古いレコードを聴いているようなあたたかさがあるのはなぜだろう (それをこの曲を指揮した鈴木義孝先生は「農民の気持ちが内側から出て来る音」と称されていた).
素朴で柔らかい響きが印象的だった.

休憩(ロビーには産直コーナーが設けられ, 蝶ネクタイ姿のまま販売する団員の姿が…)を挟んで後半はドヴォルジャークーク作曲 交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」.
4プルもあったチェロが上手 (ひょっとして賢治と関係があるのだろうか).
しかし, なにぶん多彩さが求められる難しい曲である.
正直ハラハラさせられる場面もあったが (素朴な楽想と相性が合うときはいいのだが…), それでもアットホームな会場の雰囲気に包まれ, 音楽は堂々と奏でられた.

東北農民管弦楽団は2013年に誕生した (パンフレット収録の白取代表のあいさつより), 農業と音楽と宮沢賢治を愛する農民(「大地の恵を世に供する人」)によって結成されたオーケストラである.
農閑期である冬に毎年東北のいずれかの県で演奏会を開催しているのだという.
その活動が認められ, 去年は「第5回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」を受賞している (今日の演奏会ではサントリー芸術財団より贈賞式も行われた).

1曲目のアンコール(ドボルジャーク 序曲「謝肉祭」)に続き, 2曲目のアンコールでは再び合唱隊が加わり(そして会場も一緒に)「花巻農学校精神歌」(宮沢賢治)が高らかと歌われ, 2時間のステージを終えた.
「おれたちはみな農民である」, 宮沢賢治「農民芸術概論綱要」の冒頭が頼もしく蘇る音楽会だった.

(文翔館のお隣で営業されていた以来, 久しぶりにお邪魔した欧風洋菓子「ローリエ」で生シュークリームとエクレアをお土産に. おばあちゃんもお元気そうで相変わらず おまけしていただきました)