10/20/2012

SPECIAL OTHERS Have a Nice Day


SPECIAL OTHERS Have a Nice Day
2012.10.10.released / VIZL475

ドラムのロールで始まった1曲目「ROOT.
ショーの幕開けにぴったりだ.
2曲目「ORION, スリリングな5拍子に乗るのは切なく爪弾かれるギター (一瞬鍵盤ハーモニカも登場).
ジャマイカなリズムが爽やかな3曲目「Raindrops.
昔聴いた野外ライヴを思い出させるような力強い4曲目「beautiful world」は9分を越える大作だ.
ドラムの刻みとデュエットするベースがcool5曲目「ORGAN BASS.
6曲目「Hawaiian Secret Beat」はまたまた大疾走するドラムが印象的.
アンサンブル(会話)も心地よい.
7拍子をきっかけに樹形図のように広がっていくリズムが不思議な7曲目「barrel.
ギターとキーボードがうたう8曲目「Dance Festival.
後半朴訥と現れる鍵盤ハーモニカが素敵な9曲目「Provence.
そして, 捻じれていっていたリズムがまた新たに出会う仕方が感動的ですらある10曲目「Have a Nice Day.

テキストのない, 楽器というメディアだけだというのに, どの曲もそれぞれにメッセージを伝えてきて面白い.
そんな不思議がこのバンドにはある.

2枚目, DVDがいい.
NYのセントラルパークやタイムズスクエアからニューオリンズのジャクソンスクエアまでの8日間のストリートライヴの記録は, 映画を観ているかのようだ.
なんといってもメンバーが楽しんでいるのがとてもいい.

Have a Nice Day (初回限定盤)

10/13/2012

佐藤鈴木田中 「ハレの日」 リリース・ライヴ


佐藤鈴木田中「ハレの日」1stCD リリース・ライヴ
2012.10.13 山形・川西やわた蔵

「佐藤鈴木田中」は, アコーディオンの佐藤芳明, サックス・フルートの鈴木広志, ギターの田中庸介, 3によるトリオ.
2009年から活動を行っているという.
1stアルバム「ハレの日」のリリースに合わせて行われたライヴは, 山形県川西町にある古民家を改造した, 雰囲気満点の蔵(音の響きも柔らかく心地よい)で行われた.

この日は, さりげないギターがお洒落に支える上で, 目まぐるしく動き回るアコーディオンとサックスが心地よかった.
「紙のドレス」のフルートとアコーディオンの粋なデュエットも「紅緑灯のJAM」のサックスとアコーディオンのクールなデュエットも, 自由自在なメロディーをギターが軽やかに支えていた.
素敵な曲がたくさんあったが, 「やまのいえで」, 「ハレの日」, O FarolQueNosGuia」が特に素敵だった.

アコーディオンとサックス, ギターの3つの楽器は一見相性が悪いように見えるが, そんなことはまったくない.
化学反応によって生み出された音(響)は心地よく, 蔵を優しく包み込んだ

10/06/2012

トガニ


映画「トガニ:幼き瞳の告発」
ファン・ドンヒョク監督

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この子はきくことも話すこともできません.
この子の名前はミンスです.

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信じられないことが世の中にはあるんだ.

子どもの目があまりに綺麗で, 映画であることを忘れてしまう.
やりきれない出来事を前に, 自分ならどうするか.
ドキドキしながら, そう問われているようだった.

「トガニ」とは「るつぼ」を意味する言葉なのだという.
ものすごい感情が, たくさんの企みが, そして真実と嘘が…, ぐちゃぐちゃになっている世界.

何かの冗談だろ?と思ってしまうような陳腐な社会構造と人間関係.
そんな世界に彼ら/彼女らは何を見るのか.
スピード感満載の話の裏側で, 何も変わらない世界.
そんなやりきれない世界への, 問題提起の一本.