5/29/2013

大橋トリオ "plugged" LIVE TOUR 2013


大橋トリオ "plugged" LIVE TOUR 2013
2013.05.29 / 新潟LOTS

居心地のいいジャズとノスタルジーが絶妙に混ざり合った音楽を届け続けている大橋トリオ.
今回のテーマはズバリ "ロック" だという.
そんなロックなライヴは, 彼がそれをやるとこうなるのかという意外さと, あぁやっぱりいいなぁという安心感とが同居した とても心地よい時間だった.

この日は「CLAMCHOWDER」や「GRAVITY(♯13)」など (PRETAPORTER), 懐かしい曲も数多く歌ってくれた.
前回に引き続きサポートで入っている伊澤一葉のピアノは相変わらずcool.
今回加わった田中拡邦(MAMALAID RAG)のギターとうたも大橋と相性抜群だった.

ライヴでは, 最後にうたわれた「サクラ」(plugged)が印象的だった.
切ない春のうただ.

アンコールは「Bing Bang(L, R), 「僕らのこの声が君に届くかい」(plugged), 「生まれた日」(「NEWOLD」)の3
Bing Bang」はいつ聴いても楽しい曲.
ピアノソロでうたわれた「生まれた日」は透きとおって, 聴き手の心の中にす~っと入っていった.

アンコールだけで45分の盛りだくさんな内容 (ライヴ終了は2145分!).
心地よい音楽だった.

(写真は古町のbar「町田」でいただいたカクテル「ガーネット」. ウォッカ, ジン, コアントロー, カシス, レモン)

plugged (ALBUM+DVD)
PRETAPORTER
L
R
NEWOLD

5/25/2013

中田裕二 SONG COMPOSITE 2013


yujinakada presents "SONG COMPOSITE 2013"
2013.05.26 / 郡山・Hip Shot Japan

「津軽海峡冬景色」から始まった, 3回目となるコンポジ.
椅子が並べられた会場は満席, sold out.
2年ぶりとなるシリーズだが, 今回はキーボード(YANCY)だけでなく, パーカッション(朝倉真司)も加わった3人編成で行われた.

「カラオケをやりたいから」, 「うたいたいうたをうたってみんなに褒められたい」からコンポジを始めたという中田裕二.
「リバースのカード」など, お馴染みのオリジナルも交えながら, voiceの「24時間の神話」, ニール・セダカの「ソリティア」など, 懐かしい曲が続く.
その後も, 日本ではまだ無名だというLucy Schwartz(米)の「You Are You Are」や, 「椿屋でやりたかった和心を全部やられた」と本人がいう さだまさしの「まほろば」, 「不倫を明るくうたった怖いうた」だという竹内まりやの「純愛ラプソディ」, さらには松任谷由美の「Hello, my friends」, オリジナル・ラヴの「朝日のあたる道」, 高山厳の「心凍らせて」(!)など, 様々な "歌謡曲" が少しハスキーな声で歌われた.
パーカッション(カフォン, ジャンベ, ボンゴなど)との相性がとてもよく, 中盤にスウィング・バラードでうたわれた「バルコニー」(1st)は秀逸だった.

文庫本のように立派なツアーパンフレット「歌謡礼賛」で, 「歌謡力というのは浪漫力と言い換えられるのかもしれません」(:81)という中田裕二.
そんなロマンたっぷりなうたが, そしてうたうことが好きだということが, 文章からもひしひしと伝わってくる.

1回目のアンコール(「ひかりのまち」, 「シンデレラ」(椿屋), DANCE IN FLAMES」のオリジナル3曲)に続き, 鳴り止まないカーテンコールに応えて2回目のアンコールでは「次の(3rd)アルバムに入らないであろう曲だ」という うた(ボッサ・バラード)をうたってくれた.
「人はみな変わるからと突き放したあなたなは, どうして変わらぬ姿で僕の前に現れるの」…, という切ないうた.
2時間強の歌謡曲ライヴの最後, じんわりと心に残るうただった. 

MY LITTLE IMPERIAL
ecole de romantisme
ひかりのまち

5/12/2013

愛してる、愛してない


映画「愛してる、愛してない」
監督/脚本 イ・ユンギ(2011年)

映画は, 2人の男女を映した長い車の中の長い会話シーンからはじまる.
普通の会話が, ノーカット・定点カメラの撮影で続くので, 見ている側はまるで2人芝居の舞台を観ているような, すぐそこに役者がいるような感覚にとらわれてしまう.
しばらく世間話が続いたあと, 女は別れ話を切り出すのだった.
それでも, 2人の会話はとても静かだ.

場面が変わって, カメラは家を出る準備を進めている女と男, 2人の家を映す.
降り続く雨をバックに繰り広げられるのは, やはり静かな会話, 明日も続きそうな生活が感じられる会話だ.
出ていくという女を相手に, 男は変わらずに静かだ.

そんな優しい男についに我慢できなくなり, ようやく核心を切り出す女.
「どうして私を怒らないの?」
それに対して男は,
「怒ったとしても何も変わらないだろ? きっと僕に問題があったはずだし」
とこたえるのだった.
どんなに女が理不尽であっても, やはり男は静かなままだ.

カメラはひたすらに2人の会話を映し出していく.
2人以外の登場人物は, 家に迷い込んできた猫1匹と, その猫を探しに来た隣の家の夫婦2人だけだ.
その他, 言葉を発するのは, 女の母親と女の浮気相手 (男はそれすらも冷静に取り次ぐ), 予約したレストランからの確認の電話, そして大雨のニュースを伝えるTVキャスターの声のみ, である.
それらも全て, 降り続く雨をバックに.

最初, 男は元に戻りたい, 元どおりに戻れる, 大丈夫, と落ち着いているのだと思って観ていた.
そこには観ている自分の期待もあったと思う.
しかし, 突然迎えられたエンディング(玉ねぎが目に染みたことを理由に涙する男)に, 違う, 男はもう戻れないと知っていたのだ, と気が付く.
流れるエンドロールを目に, ひとり取り残されたような気分になった.

怒って冷静を失ってしまっては, 自分を取り戻せなくなってしまうのではないか….
最後まで寡黙な男にじれったく少し苛立ちながらも, 最後には男の中にある強さと, そんな思いを感じた一本.
淡々と進みながらもぐっと深いところまで潜っていく…, こ
んな映画ははじめてである.

本作は, ノーギャラで自ら出演を希望した俳優とスタッフによって, 20日間ではつくりあげられた作品だという (映画パンフレットより).
緊張感あふれるやり方で, それでも自然に, 2人の間にある(あった)5年という時間までをも映し出した, 小説のような映画だった.

5/03/2013

星野源 STRANGER


星野源 STRANGER
2013.05.01.released / VICL63996

「誰かこの声を聞いてよ」

これまでとはなんだか違う雰囲気で, 1曲目「化物」から星野源はそう うたう.
どことなくSAKEROCKへの回帰を思わせるような極上ポップに, わくわくしてしまう (もちろん, そこはSAKEROCKとはイコールにはならない).

その一方で, きっと父親と子どものことをうたった7曲目「生まれ変わり」と, 「知らない」のカップリングだった「季節」など, 泣かせるところはしっかりと泣かせる.
とてもいい雰囲気である.
日常からこんな世界を かくも鮮やかに紡ぎ出せるものか…, と驚く曲の数々.

何度も繰り返されるシンプルな構成が, それゆえにグッと迫ってくる「生まれ変わり」は「僕なりのゴスペル」(有泉智子 (2013). MUSICA (20135月号), 7332)なのだという.

星野源はうたう.

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生まれ変わりがあるのなら
人は歌なんて歌わないさ

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, ここで, 星野源はそう うたう.
, ここに生きている人に届けようと.
力強くも, 優しさに満ちたメッセージが印象的な一曲だった.

Stranger
知らない[初回限定盤]
MUSICA (ムジカ) 2013年 05月号 [雑誌]