3/20/2016

東響 第94回新潟定期




古町「シャモニー」(ナイスな純喫茶!ピザトーストが絶品)で ひと休みしてから, りゅーとぴあ まで歩く. 
天気はいいけど, 今日の新潟はとにかく寒い!
たまらず途中の「古町麹製造所」で「麹生姜」(甘酒)を購入.
暖まりながら白山公園へ.
この寒さなのに, 公園では梅が咲き始めていて, 春は静かにやってきています.

…ということで, 本題です

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東京交響楽団第94回新潟定期演奏会
2016.03.20, 5 pm start / りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール

客席はほぼ満席.
プログラム一曲目はフォーレのレクイエム
指揮は飯森範親. 
パイプオルガンでチューニングしたあと, 「キリエ」は厳粛に始まった.
弱奏部は本当に儚く, 切なく歌われる.
まさに祈りの音楽.
「オッフェルトリウム」は, 改めて聴くと不思議なハーモニー進行が耳につく.
バリトン(甲斐栄次郎)が明るく伸びやか.
ラストのオルガンの和音が長く奏でられ, 天上へと昇って行った.
「サンクトゥス」はハープと弦楽器による波の上を漂うコーラスが美しい.
「ピエ・イエス」のソプラノ独唱はオルガンの隣で歌われた.
独唱は森麻季.
これが素晴らしかった.
まさにピエ・イエス, 祈りの音楽だ.
続く「アニュス・デイ」も素敵だった.
この曲が始まった途端の安心感, 救われた感はなんだろう.
柔らかい音楽だった.
「リベラ・メ」は, 遅すぎず, 前に進めていく感じ.
120人の合唱団によって力強く奏でられた.
終曲の「イン・パラディスム」は, 素朴なオルガンに乗る透き通った女声が美しい.
ラストのユニゾンが長く引き伸ばされ, 長い空白のあと, 指揮棒は静かにおろされた.
たび重なるカーテンコールが客席の満足を表していた.

20分の休憩ののち, 続いてラヴェルのピアノコンチェルト.
ピアニストは萩原麻未.
パンフレットで石川亮子が指摘していたとおり, ラヴェルとドビュッシーは一括りにされることが多い作曲家だが, でもドビュッシーとラヴェルの音楽は全然違う.
ラヴェルの音楽はドビュッシーのそれとは正反対に, とびきり鮮やかで外向的な音楽だ.
第一楽章は, ピアニストの音の粒立ちのよさが際立つ.
ただ, なんとなくオケとの齟齬があり, 少し消化不良の感がある.
第二楽章, ピアノの子守歌は素朴な光景.
後半のAnglaisbravo
第三楽章はアクロバティックなPfが素晴らしかった.

アンコールで弾いてくれたのは「亜麻色の髪の乙女」.
ピアノの音色がとにかく素晴らしく美しい.
ハンマーでたたいていることを忘れさせるような演奏だった.

続いて, 「ラ・ヴァルス」.
妖艶で華やか, ゴージャスな大人のワルツに仕上げられた.
中盤のチェロのメロディーも, 後半の管楽器も, とっても艶やかで気持ちよかった.

この時点で客席はものすごい盛り上がり.
でもこれで終わりではない.
スネアが2台フロアセンターに移動して, 「ボレロ」が始まった.
時折うなずきながら, 指揮は振らず にこやかに聴き続ける飯森さん.
対照的に, 何かの職人のようにストイックにリズムを作り続けるスネア.
Perc以外全員そろって, Vcがアルコになってはじめて, マエストロはタクトを取った.
そうして訪れたクライマックスは圧巻の盛り上がりだった.

終演は1920.
客席ではなかなかカーテンコールが鳴り止まなかった.

(写真は, 夜にお邪魔した「のぶ」というお店. お通しの「海鼠と ながも酢の物」から特製鯛釜めしまで, とっても美味しかったです)