yuko ikoma Suite for Fragile Chamber Orchestra
2011. 11.11.released / windbell four 110
二階堂和美のうたも入っていた前作よりもずっと音そのものに寄り添った本作で, 生駒祐子は残忍なほどにシンプルな世界を提示する.
シンプルゆえに誤魔化しが効かず, 自分の中の記憶と対峙せざるをえない, 残忍さだ.
朴訥としたオルガンの音や, 空き缶, チャイム, 歯車の音….
とてもノスタルジックに響く音の出会いと別れの数々. かつての記憶を想起させるどこか懐かしい音は, それゆえ, 今となっては子ども時代の記憶との別れ, 寂しい音として響く.
楽団がつくり出す音楽はとてもスリリングで, なにかのBGMとして聞き流すことは到底できない.
小さな楽器たちがつくり出す大きな世界. それはもちろんアーティストの業だ.
20曲目, パバーヌのHand Xylophoneがとてもいい.
たどたどしく, のびやかに.
たどたどしく, のびやかに.
Suite for Fragile Chamber Orchestra ~フラジャイル室内楽団のための組曲~
esquisse