シンシアリー・ユアーズ:親愛なるあなたの 大宮エリーより
2016.05.28 - 09.25 / 十和田市現代美術館
大宮エリーの美術館で初めての個展だという.
その前に, まずは初めて訪れた常設展から.
美術館の建物がある道路向かいには, 草間彌生らのパブリックアートが並ぶ.
思わず駆け寄ってしまった (笑), 魅力的な空間.
間違いなくこの町の景色を変えている作品たちを, 最初から楽しめる.
2008年にオープンした美術館には, 21人の作家による22の作品が常設展示されている.
ジム・ランビーによるビニールテープのエントランスから, 早速わくわくさせられる.
その先は, 屋内外の大小さまざまな作品を観ながら(見つけながら)明るい通路を歩いていく仕組み.
実物なのか映像なのか, いったいどうやって作ったのか…, 仕掛けもたくさんあって, 不思議な作品の数々を楽しめる.
(大分前, 都現美のカルティエ現代美術財団展で観たロン・ミュエクの作品も間近で楽しめる. 巨人は血管や肌の質感, しわまでリアル!)
続いて, 大宮エリーの企画展.
手紙を書くように描かれた絵なのだという.
最初の展示室では, 静かだけれど力強く動きのある大きな作品が並ぶ.
色の濃淡が心地よい.
ずっと見ていると立体的に浮かび上がってくるようだった.
第二展示室では, さっきとは一転, 明るい色使いの柔らかい作品たちが並ぶ.
たくさんのスマイルが優しい空気をつくりだす.
第三展示室へと続く通路の壁に並ぶのはささやき声の絵.
万年筆による可愛らしいドローイング作品が続く.
第三展示室に飾られるのは希望の海.
虹から降る色とりどりの雨が印象的だった.
会期中, おおはた雄一や原田郁子らミュージシャンとのライブペインティングも開催されたようだ.
大宮エリーの商店街美術館(作家曰く「どんどん出来上がっていく参加型の美術館」)も同時開催されている.
企画展の場所は街のなかで, アートが空間を(人が集う)場所へと変える様は, 「Arts Towada」のコンセプトそのものだ.