7/03/2016

東響・新潟定期 第96回


東京交響楽団 新潟定期演奏会 第96
2016.07.03, 5 pm start / "りゅーとぴあ" コンサートホール

蕾が大きくなった蓮の花(明日には咲くでしょうか)を見ながら白山公園を抜け, りゅーとぴあへ.
新潟定期初登場になるという川瀬賢太郎の指揮と, 横山幸雄のピアノによる特別プログラム.
一夜にして, なんと3つのコンチェルトが並ぶ ().

ステージ上のセッティングはフロア下手から1st, コントラバス, Vc, Vla, 2ndという面白い配置.
多くのお客さんに迎えられピアニストが登場すると, 早速1曲目がスタートした.

まずはリスト「ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調 S.124.
第一楽章は弦の厚みが思うより出ず残念.
第二楽章はピアノのカデンツで聴かせた.
第三楽章のトライアングルとピアノのやりとりあたりから, オケとピアノの相性もよくなり, 躍動感たっぷりの音楽を奏でた.
各楽章の主題が散りばめられた第四楽章は, それぞれを上手く聴かせ, 充実のフィナーレとなった (分かりやすく振る(ピアノの独奏のときも小さく振り続ける)指揮者が印象的だった).

続いて, 休憩なしでショパンの「ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11.
第一楽章から川瀬による情熱的な指揮.
ピアノは変に甘くうたうことはせず, 寂しさや切なさを絶妙に見せる.
優雅でありながら, どこか厳しさのようなものを携えたピアノが好演だった.
続く第二楽章はとてもしっくりと来た演奏.
ピアノとオケの相性もよく, それぞれが心地よく聴かせた.
第三楽章は軽快ながらも艶のある上品なロンド.
こちらもとてもよかった.

休憩を挟んで, 後半はラフマニノフの「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18.
第一楽章では, サラッと弾いているようなのに, 輪郭のはっきりとした音が飛んで来るピアノが印象的.
この前に2曲コンチェルトを弾いているとは思えないcoolなプレイ.
一方, 中間部の盛り上がり(冒頭の主題をtuttiで高らかと奏でる部分)でオケが少し気怠くなってしまったのが残念.
第二楽章ではFlClもなんだかロマンティックすぎるように感じてしまった.
川瀬の振り方を見ていると敢えてここはコテコテにしたようにも見えるが, やはり重くなって, 少し田舎臭くなってしまったように感じた (一歩間違うと浪花節になってしまわないだろうか…. 切なく, でも前向きにが個人的には好みだが, その匙加減は本当に難しいと思う…). 
第二楽章の終わりから間を入れず第三楽章がスタート.
ピアノの華やかさが心地よい.
Hnと弦のザッツが少しズレてしまったのが残念だったが, 熱のこもった演奏だった.

鳴り止まないカーテンコールにこたえて, アンコールはピアニスト編曲によるアヴェ・マリア (バッハ・グノー).
余韻たっぷりに, おしゃれなアンコールだった.

2011年に「ショパン・ピアノ・ソロ全212曲コンサート」を行ったという横山.
最後まで集中力たっぷりに惹き付ける2時間の演奏だった.

(写真はお昼にお邪魔した岩室の「KOKAJIYA」さん. 風がすーっと通り抜ける, 古い建物をリノベーションした素敵なレストラン. 前菜のお皿からワクワク…. 大きな海老がゴロッと入った海老饅頭(焼き茄子の擦り流しに唐墨かけ!)やトマトとモッツァレラのフェットゥチーネ(こちらもゴロッと入ったモッツァレラチーズ!)もとっても美味しかったです. そしてもう一つ↓の写真は夜にお邪魔した「須坂屋そば」屋さんのへぎそば. たっぷりのネギといただいて, お腹いっぱい…)