仙台フィルハーモニー管弦楽団 第278回定期演奏会
2013.11.23 / 日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター)コンサートホール
今回の定期はシャブリエの狂詩曲「スペイン」から.
のびのび, 楽しそうに振る指揮者(パスカル・ヴェロ)が印象的.
続いて, コンマスの西本幸弘をsoloにサラサーテの「カルメン」幻想曲.
曲が難しすぎるのか, それともソリストが硬かったのか…, 序盤は少し不安定な響きが続く (ハバネラの主題以降はだんだんと落ち着き, たっぷりとテクニックを見せた). カーテンコールに応えて演奏されたソリストのアンコールは, パラディスの「シシリエンヌ」(arpとduo).
やわらかく揺蕩う感じがとてもよかった.
前半最後の曲は, マスネの歌劇「ル・シッド」よりバレエ組曲.
ひとつひとつは短いが, 特色あるリズムでスペインの熱い光景を想像させる7曲. Ⅱ. アンダルーサのvlc群のcoolさ, Ⅲ. アラゴネーサの疾走感, Ⅵ. マドリレーナにおける哀愁あふれるアングレとリズミカルなカスタネットとの対比がよかった.
終曲(Ⅶ. ナバレーサ)ではカスタネット隊4人によってリズムが打ち鳴らされ, 全員で突進し華やかに終わった.
休憩後はラヴェル「道化師の朝の歌」から.
落ち着いたテンポでコントラストを際立たせ, 表情の違いを出した.
続いてドビュッシー, 管弦楽のための「映像」より "イベリア".
Ⅰ. 街から道から, では なんともオシャレに様々な情景が交差. 続くⅡ. 夜の香り は今日の白眉.
神秘的な中に綴られていく色彩感, 質感は耳以外の感覚器をも刺激して風や香りまでも連れてくる.
この響きこそが指揮者の表現なのだろう (3月のダフクロも素晴らしかった).
2曲目から3曲目(「祭りの朝」)へのもって行き方(アタッカ)も見事.
わくわくさせる大人の魅力たっぷりだった.
曲は最後, 印象的に鐘が3つ鳴って終わりを迎えた.
本日最後はラヴェルの「ボレロ」.
スネアドラムがフロア中央に移動し, ソリスト西本も乗って始まった曲の前半は, ソロのミスや管楽器の祖語が目立ち落ち着かない (あらためて怖い曲だと思う). その後, hnとpicc, チェレスタによる倍音列上の並行旋律が可愛らしくまとめられ, そしてtbのsoloがとてもよく, 中盤以降は徐々に安定していった.
終演は17:15.
全体を通してカスタネットが大活躍した, スペイン尽くしのプログラムだった. (写真は昼にお邪魔した, 仙台市「創菜欧風料理 ル・ポタジェ」の豚肩肉の煮込み (カレー風味). かぼちゃとインゲン豆のポタージュはじめ, 野菜がどれもとても美味しかったです)