3/06/2015

単位展


単位展:あれくらい どれくらい それくらい?
2015.02.20 - 05.31 / 21_21 DESIGN SIGHT

夕方, 21_21へ.

「空気、水、モノ、光、音、自然環境――そのままでは捉えにくい世界に一定の基準を設けることによって比較や共有を可能にした知恵と思考の道具。それが「単位」です」

「単位展」は単位をこう定義して始まる.

この展示がとても楽しかった.
さまざまな方法で単位を視覚的に体験させたり (たとえばN(ニュートン)やJ(ジュール)など, 名前は知っていても何なのかよく分からないものも), 「5秒を測ってみよう。」というコーナーがあったり, 徳利とお猪口と升で同じ量を測定してみたり, 画素数の違いで映像はどう粗く/細かくなるのか比べてみたり, 世界のお金を並べてみたり…, 大人も子どもも存分に楽しめる内容になっていた.
21_21の展示はいつ来てもやっぱり楽しい.

夜は山の上ホテル, バー ノンノンへ.
9人で満席の, カウンターだけのバー.
「ザ ヒルトップ」は爽やかな味.
「ドクター ヴォーリス リバイバル」はウィスキーベースでほんのり甘い (コアントローのような香り).
お店の素敵な雰囲気にほんのり酔いながら, 東京の夜は更けていきました. 


ルーブル美術館展



ルーブル美術館展
2015.02.21 - 06.01 / 国立新美術館

フェルメール「天文学者」(1668年)やクエンティン・マセイス「両替商とその妻」, バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「物乞いの少年(蚤をとる少年)」(1647-48年頃)などルネサンス期の作品を中心としながらも, 紀元前2世紀ごろから1800年代まで, 2300年間にわたる作品の数々が展示されている. 

なんといっても, 人が生き生きと描かれているのが印象的.
光と影までも生き生きと描かれる.
そして, 一枚の絵の中にたくさんのドラマやストーリー, 仕掛けがあるのが面白い.
当時の人も色々な話をしながら観たんだろうなぁ, と思いながら絵を眺めているとなんだか不思議な気持ちになるのだった.

(写真はその前にお邪魔した近江屋菓子店. 昔ながらの素朴なスポンジケーキとドリンクバー(みかんも, バナナとほうれん草(スムージー)も, グレープフルーツもどれも手作り・生で, フレッシュな味. ホットチョコもある!)が嬉しい)

3/04/2015

中田裕二の謡うロマン街道


中田裕二の謡うロマン街道
2015.03.04. 7 pm start / 山形市・蔵オビハチ

「キャバクラのように2時間制のライヴ」

中田がそういう "謡うロマン街道" は, セットリストなし, うたいたいものをうたう完全ソロのシリーズ.
今日が初山形ライヴだったという中田.
蔵を改築した狭い会場へは60人以上の観客が入った.
歌い手との距離がとても近く, いつもとはまた違う穏やかな雰囲気でライヴはスタートした.

オリジナルラヴの「朝日のあたる道」や「接吻」, 「カサブランカ」(「ジュリーのうた!」とのフロアからのリクエストに応えて), チャゲアス「C_46」, 井上陽水「結びことば」, 玉置浩二「ワインレッドの心」など, どんなカバーもみるみる中田裕二のうたになっていく.
オリジナルは「リバースのカード」, 「ひかりのまち」, 「紫陽花」(椿屋), ほかにニューアルバムからいくつか.

ラストは「BACK TO MELLOW」より「サブウェイを乗り継いで」.
全部で20曲ほど, MCを入れながらもノンストップで, ちょうど二時間を歌い切った.
たっぷり彼のうたを味わえたライヴだった.
(翌日の仙台公演へも行くという観客も多くいて, ファンは根強い!)


2/21/2015

仙フィル 第289回定期演奏会


仙台フィルハーモニー管弦楽団第289回定期演奏会
2015.02.21. 3 pm start / 日立システムズホール仙台 コンサートホール

演奏前のプレトークで「3人の作曲家の時代的な流れと人間関係を踏まえて聴いてもらいたい」と話した指揮者・広上淳一.
シューマンとクララ・シューマンのドラマやブラームスのシューマンへのオマージュなどを考えると, 確かにこの3曲がプログラムに並ぶのは興味深い.

1曲目はシューマンの「マンフレッド」序曲.
テンションの高い力強い音から始まった.
まるでラジオ体操をしているかのように(…そう見えてしまった)大きく振る指揮者.
まさに愛の苦悩や切ない響きがたっぷりと厚く奏でられた.

2曲目はクララ・シューマンのピアノ協奏曲 (a moll, 作品7).
クララが13歳のときに作曲し始めた作品だという (ちなみに初演はメンデスルゾーンの指揮にクララのピアノ!).
第二楽章のロマンティックな音楽(Vcとの二重奏)も素敵だったが, やはり第三楽章の優雅なダンスが美しかった.
難曲を見事に弾きあげたピアニスト(伊藤恵)は, 鳴り止まないカーテンコールに応えて素敵なアンコール(クララ・シューマン「四つの束の間の小品」より)を演奏してくれた.

休憩を挟んで, メインはブラームスの交響曲第1番.
高く掲げた左手を振り下ろして, 重く第一楽章がスタート.
ブラームスの苦悩がどれほどのものだったのか, 冒頭主題から伝わってくるかのような厚く切ない演奏.
続く第二楽章が絶品だった.
甘く, とろけるように美しい音楽.
たっぷりと歌い上げる指揮者は, その後ろ姿からも音楽が聴こえてくるようだった.
第三楽章も同様に, あまく幸せな音が鳴り響く.
ここでもclとobが好演.
終楽章はハ長調以降が会場中包み込まれるようで, 印象的だった.
そして大迫力のエンディングも圧巻だった.
多少のザッツのズレは気にならない熱演 (hnが素晴らしかった).
ラストのハーモニーは指揮者自身から音が出ていた感じがした.
波動が, waveが目に見えるようだった.

終演は17時15分.
鳴り止まないカーテンコールで会場は熱気にあふれていた. 

2/15/2015

東北の作曲家によるオーケストラ新作展


東北の作曲家によるオーケストラ新作展
大井剛史 指揮 / 仙台フィルハーモニー管弦楽団
2015.02.15. 3 pm start / 日立システムズホール仙台 コンサートホール

作曲者らによるプレトークとナビゲーターの山野雄大さんの解説に続いて, 演奏会は大場陽子作品からスタート.

大場陽子「ミツバチの棲む森」は「コロニー」と「ネオニコチノイド」の2楽章からなる.
第一楽章では, 女王蜂の役割を果たす弦楽四重奏が独立して前に配置された.
曲はtuttiのクラスターによるざわめきからスタート.
旋回しながら近づき, 遠のいていくのはミツバチの群れか, もしくは外部からの脅威か.
喧噪が去って, 第二楽章はArpとFlの穏やかなデュエットから.
提示されたメロディはCl, Fl, Bn, Vib…とリレーされていく.
優しく透き通った光景が拡がる.
なんとも美しい光景だが, これは作曲者によるレクイエムなのだ.
ゆっくり, 何度も繰り返される旋律は, 逆境にも負けず続けられる生命の力強さを感じさせるのだった.

続く2作品目は木村正巳「交響曲」.
第一楽章「ad aquilonem(北へ)」は, ロマンティックな旋律や憂いを帯びた響きが次々と湧き上がる壮大な音楽.
ステレオタイプながらも, 交響曲の名に相応しい厚さだと思う.
まるでラフマニノフを思わせるような, 厚い(熱い)ロマンチックな強さで第一楽章は終止した.
続く第二楽章「vox(声)」は哀歌のような美しい響きにメゾ・ソプラノ(solo:井坂惠)が乗る作品.
音楽はみるみる昂揚し, テンションを増す.
ソリストの声が次々とかき消されたのは計算されたものだったのだろうか.
圧倒的なオケに, 声はところどころしか聴こえないのだった.
2つの楽章を合わせて30分を超える作品.
作曲者がいうように北方ロマン派を彷彿とさせる懐かしさ, 郷愁が不思議な印象を残す切ないラヴソングだった.
終盤, solo VnやVcが奏でたメロディと, 弦楽四重奏が奏でた響きがとても美しかった.

休憩を挟んで3作品目は, 八島秀「交響詩 森のコラール」.
打楽器無しのオケ編成による作品. 
曲は2nd Vn(div)のアンサンブルからスタートした.
不安げな響きは次第に柔らかい響きになっていき, 後半, HnとTubaから始まるコラールのフーガがオケ全体へと拡張されていくさまが美しかった.
タイトルにふさわしい大自然の重厚なコラールが奏でられたあと, 曲は静かな終わりへと収束していった.

最後の4作品目は小山和彦「オーケストラのための協奏曲」.
Vnによって冒頭奏でられるロマン派的な切ないメロディとXyloが先導する攻撃的な速いパッセージが, 表となり裏となりながら次々に提示される.
中盤, 炸裂するB.D. の打撃音は, オケとの関係を切望する切ない響きに聴こえる.
後半(solo Vnのヴィルトゥオーゾ的なカデンツァのあと)オケはテンションを増しエンディングに向けて疾走して行き, 曲は打ち切られた.

終演は17時5分.
実験的な試みであったのだろうが, 会場はたくさんの観客であふれていた.
自分が設計した音風景が立ち上げるさまを客席から見ているのはどんな気分なのだろうか.
それはものすごいcooolな体験なのだろう.
そんなことをつい思ってしまった, なんとも立体的な演奏会だった. 

2/14/2015

山響 「アマデウスの旅」Vol.24


「アマデウスの旅」Vol.24:最終回
飯森範親 指揮 / 山形交響楽団
2015.02.14. 4 pm start / 山形テルサホール

演奏が始まる前に指揮者によるプレトークがあった.
9年前に計画されたというモーツァルトのプロジェクトも, 今回の24回目で最終回となる.
24回すべて来場したという観客も多数いて, それだけ注目されていた取り組みだったのだなぁと思う.

ステージ上は, 下手から1st, Vc, Fg, Cembalo, Vla, 2ndと並び, Vcの後ろにHnとOb, 2ndの後ろにTp・TbとTimpといった配置.
CbはHnとObの後ろ, 真正面に配置されていた.

1曲目はシンフォニーの1番 (変ホ長調, K.16).
モーツァルト8歳のときの作品である.
タクトを持たず, 甘く可愛らしく始められた.
ナチュラルホルンの音色が心地よい (改めて難しい楽器だとも思ったが…).

2曲目は「交響曲 ニ長調 K.97」(47番).
モーツァルト14・15歳のときの作品といわれている.
山響のモーツァルトシンフォニーサイクルでは, 偽作と疑われている作品も取り上げられてきている.
今日の演奏では第2楽章の柔らかい演奏が秀逸.
この優雅で細やかな動きを聴くと, やはりモーツアルトの作品なのだろうと思ってしまう. 
続く第3楽章の短いメヌエットを挟んで, 駆け抜ける第4楽章もなんとも華やかだった.
長調・短調を自由に行き来するメロディーも心地よかった.

休憩を挟んで, レクイエム(ニ長調, K.626)の演奏.
ファゴットとバセットホルンの切ないアンサンブルから始まる (「Requiem aeternam」).
続く「Kyrie」が圧巻. 
合唱が本当に素晴らしい.
終わり方もcoolで, ゾワゾワした.
「Dies irae」, 「Tuba mirum」(古楽器のトロンボーンもやはり難しい楽器なんだなぁと思う…)を挟んで, 「Rex tremendae」では合唱が迫力たっぷりに歌い上げられた.
「Recordare」ではソリストたちのミスが目立ってしまい少し残念.
「Confutatis」, 「Lacrimosa」は合唱がたっぷりと厚いハーモニーを響かせた.
ラストのAmenが高らかに歌い上げられなんとも心地よかった.
そしてなんといっても, 「Domine Jeus」で合唱団が奏でた重厚なフーガが今日の白眉だった.
仕掛けをしっかりと見せながら次々と湧き上がってくる合唱は, こちら側と向こう側を懸命に繋ごうとする まさにレクイエムそのもので, 本当に素晴らしい合唱だった.
「Hostias」ではガラッと音色を変えて柔らかく合唱がうたわれた.
続く「Sanctus」は再び高らかに, そして「Benedictus」ではラスト(「Hosannna」から)の合唱がこれまた高らかに歌い上げられ心地よかった.
「Agus Dei」も合唱が秀逸.
「Communio」(Lux aeterna)は「Cum sanctis tuis」から続くエンディングが力強く歌い上げられ, 印象的だった.

終演は18時.
長いカーテンコールが客席の熱狂を表していた.
山教アマデウスコアの魅力を改めて感じた一日だった (パンフレットにあった佐々木正利先生(山教アマデウスコア音楽監督・岩手大学教授)の解説もとっても楽しかった).

(写真は山形市・四山楼)