4/23/2016

弘前②+盛岡①

, 「虹のマート」で色々と買って朝ごはん.
美味しかったのは, これ! イガメンチ!
お好み焼きのような感じでした.

弘前公園到着.
桜は満開!

東門から中へ入って, 本丸へ.
天守閣が曳屋によって移動したお城.
70日で77.62mの距離を曳いたんだそう.
すごいなぁ.

武徳殿休憩所, 桜のトンネルと廻って, 西濠のボート乗り場へ.
ボートを漕ぐのはなかなか難しい….

りんごの形の味噌おでん.
生姜の効いた甘いお味噌が美味しい.

与力番所でお抹茶をいただく.
公園だけで一日 十分に楽しめる場所.

内濠から石垣を見ると, 確かに一部 膨らんでいる!
これを直すのか….

屋台会場はすごい人!
三忠食堂に並んで, 津軽そばをいただく.
そばがきを寝かせて作るという そばは, 歯が無くても食べられそうな軟らかさ….

すれ違う人が大勢 手に持っていた黒こんにゃく ().
真っ黒(醤油)でした.

植物園でゆっくりしてから, 公園を後にする.

公園近くの喫茶店「北奥舎」.
寺山修司と太宰治の本がたくさん置いてある素敵なお店.

ターミナルへ戻って, 「ヨーデル号」(!)へ乗車.
いざ, 盛岡へ.

盛岡着.
早速, 好古(大通り店)へ.
てばが絶品.
盛り合わせだけ食べて, もう一軒はしご.
食道園の冷麺 (別辛).
後乗せのカクテキがピリっと美味しい.
ぺろっと食べてしまいました.

4/22/2016

弘前①

仙台から高速バス「キャッスル号」で弘前へ.
23弘前バスターミナルへ到着.


真っ直ぐホテルに向かって, 今日はすぐに就寝

4/21/2016

綿矢りさ 大地のゲーム


綿矢りさ (2013). 大地のゲーム. 新潮社.

key word:大地の賭けに乗る。

舞台は, おそらく50100年先の未来.
未曾有の大震災が街を襲い (おそらく日本の首都・東京か), そしてまた一年以内に巨大な地震が来るといわれている (30).
登場人物たちは, そんななか次の地震に身構えつつ大学内で共同生活を送る主人公の私をはじめとする大学生だ.
彼女ら・彼らは「反宇宙派」と名付けられたグループに所属しており, デモや集会を開いて活動している.
学生らの期待を一身にあつめているカリスマ的な存在が, リーダーと呼ばれる男である.

物語は, 私(恋人がいつつもリーダーの魅力に惹かれてしまう)と, 私の男 (リーダーを気にしている私に気付いている), リーダー, そしてマリという不思議な女(リーダーに近づき,
私に嫉妬させる存在)を中心に展開していく.
登場人物にはほとんど名前が付けられていない.
時代も場所も, 厳密には分からない.
(綿矢りさの作品には珍しく, 親近感を持てない一般名詞の人物たちによる, 未来の話だ)

「世界の割れる音を聞いてしまった」(:61)私たちは, それでも生き残ったことへの誇りと戸惑いを背負って生きている.
脆く危うい彼ら・彼女らの人間関係は, ある日 起こった「ニムラ」という男子学生の集団リンチ事件によってその均衡を崩すことになる.
そこでもリーダー性を発揮し集団をまとめたのはリーダーだった.
その一方で, 物語はその裏側にあった巧妙な政治を暴いていく.

やがて, 政府の予告どおり2度目の大地震が大学を襲う (144-).
ここから物語はエンディングへと向けて加速していく.
この場面が手に汗握るスピード感で描かれ, 思わず惹きこまれる.

終盤, 小説の話し手が突然 主人公の私からリーダーへと代わり, 彼の本性が分かる場面がある (149-).
最後の最後に, 劇的なスイッチ・チェンジ.
「じっくりと時間をかけて手に入れようとしていた大学が崩れてゆく」(:152)様を彼の視線から描写する場面は, まるで演劇を観ているかのようだった.

物語はラスト, 人間の逞しさと, 誰かが側にいてくれることのありがたさを描く.
子どものころ, 最後はみんな死ぬんだぞと兄に言われ怖くて泣いていた少女は, 「私は土に還りたい。大地の一部になって、また新しく命の生まれる瞬間を、黙って見守っていたい」(:166)という大人になっていたのだった.
どんな災難に襲われようとも, 何度でも立ち上がる人間の姿が描かれる.
作品タイトルから, もっと人智の及ばないところでの終止を覚悟していたので, ちょっと意外なエンディングだった.

(写真は福島駅前の「伏見珈琲店」. 去年の5月にオープンした, カウンターだけの素敵なお店. ブレンドとエキゾチック(という名のフルーツがたくさん入ったロールケーキ)をいただきました)

(↓リンクは文庫本です)

4/16/2016

木皿泉 昨夜のカレー、明日のパン



木皿泉 (2013). 昨夜のカレー、明日のパン. 河出書房新書.

key words:パワースポット (惣菜屋), 岩井君用の(客用)食器

夫である一樹を失ったテツコは, 一樹の父, つまり「ギフ」と二人で暮らしている.
そんな二人の生活は, ほかから見れば奇妙なものだ (16).
だが, この二人の暮らしは, とてもあたたかく愛に満ちているのだ.

二人は, それぞれ自分が変わってしまうのが怖いと思っている.
世の中がどんどん一樹のいないことに慣れていくなか, 自分も「本当に一樹を忘れてしまったら、どうしよう」(:128)とテツコは不安になる.
ギフの方もまた, 「ずっと変わりなく、このままでやってゆきたい」(:217)と思っている.
その一方で, ギフは知っている.
「人は変わってゆくんだよ。それは、とても過酷なことだと思う。でもね、でも同時に、そのことだけが人を救ってくれるのよ」(:225)と.
読み手は, テツコの側にいる人間がこんな風に言えるギフでよかったと, そう思うのだった.

物語の最後, 一樹とテツコが初めて出会う場面が描かれる.
本書のタイトルの秘密が明らかにされる場面でもあるのだが (233), 手を伸ばす一樹の生き生きとした表情が目に浮かぶようで, 印象的なエンディングだった.

(写真は, 今日あそびに行って来た 喜多方・日中線記念自転車歩行者道のしだれ桜(満開!)と, 「田楽喫茶 豆〇」のこんにゃく田楽)

↓リンクは文庫本です

4/11/2016

「男群」コンサートツアー 2016 Ver. 春



打楽器集団「男群」コンサートツアー 2016 Ver.
2016.04.11, 18 : 30 start / 山形市中央公民館ホール

開演時間になると, 会場の四隅から色々な楽器を鳴らしながら6人のメンバーが登場.
ボディー・パーカッションのアンサンブルを経て, そのまま「マンボメドレー」がスタートした.
最初から会場を巻き込んで盛り上がる.

男群は結成17年目となる打楽器集団.
2014年には大阪国際室内楽コンクール&フェスタにおいて日本人史上初の入賞を果たしている.
今日は東北・北海道と行くツアーの初日だという.
楽しいMCや楽器紹介(マリンバの組み立て方も!)を挟んで, ライヴはテンポよく進んで行った.

「アンダーソンメドレー」に続いて, 山澤洋之が門下生の卒業に寄せて書いたという鍵盤三重奏「河は流れ、松そびゆ。樫がその実を大きくするまで:Festive song for the future」が演奏される.
空間に拡がっていく音が素敵な一曲.

続いて笠井亮作曲「Hello, my friend.
3台のマリンバを使ったマリンバ4重奏曲.
繊細で美しい響き.

前半最後は「BOLER"O"-gun:男群的ボレロ」.
スネアとマリンバでスタートした音楽は, 途中ジャンベやバラフォンが加わり, 妖しい世界になる.
さらに, しゃもじのリズムの上でカズーとスライドホイッスルによるメロディーが可愛らしく奏でられるのだった.

15分の休憩を挟んで, 後半は「Electric Grass」から.
スピード感あふれるスタート.

その後は一転, しっとりと「月の光」, ジャジーに「My Favorite Things, そしてラテンのリズムに乗った妖しい「幻想即興曲」(ショパン)が続けて奏でられた.
アレンジの妙を味わえるのも男群の魅力のひとつである.
今回のライヴでも存分にその魅力を味わえた.

パーカッションとドラムのフリーセッションを挟んで, ラストは「River Dance」より「Firedance」と「Riverdance.
10年以上レパートリーにしているという2.
息のあったアンサンブルを聴かせた.

最後までたっぷり, 会場を巻き込んだ6人だった.

(写真は一昨日行った宮城県柴田町・船岡城址公園の桜(町中すごい数の桜!)と, その前に寄った福島市飯坂「cafe HIRANAGA」でいただいたホットドッグ. しっかりとしたパンが美味しかったです)

4/04/2016

高山なおみ きえもの日記


高山なおみ (2015). きえもの日記. 河出書房新社.

key words:インスタントラーメンの秘密 (129), パワースポット

最初に紹介される「実感のある料理メモ」(:2)から微笑みながら読む.
まわりや人を丁寧に見ている, 素直で素敵な人が書く文章だ.
だからこそ, 日々は笑いと涙に満ちている.

日常をそっと切り取ったようなあたたかい写真も多数収められている.
巻末にはパワスポ(ドラマで出て来るお惣菜屋さん「パワースポット」)のお惣菜レシピも多数収録されている.

(写真は昨日お邪魔した長井市「そば つる徳 パンカフェJUJU」の「体にやさしいそばランチ」. 細めだけど, しっかり・硬めの田舎蕎麦っぽい(そと二(蕎麦粉10 つなぎ2)の)お蕎麦. 美味しい)

4/03/2016

あん


映画「あん」
河瀬直美 監督 / 2015

療養所を訪ねてきた店長さんに「楽しかったわ~」という徳江さんの姿に, 樹木希林は天才だと, 素直に思う.
表情で, 声で, 間で, 言葉以上のことを語る役者だ.

河瀬監督もそうなのかもしれない.
役者の, その心を表す背景を, さりげなく, でもたしかに切り取っていく.
それはまるで自然派のドキュメンタリーのように.

秦基博の主題歌がまたいい.
そして桜の花が本当に美しい.
切ない一本

4/02/2016

田口ランディ 被爆のマリア



田口ランディ (2006). 被爆のマリア. 文藝春秋.

key words:ヒロシマ, 広島

だいぶ前に新聞で目にしていたタイトルを図書館で偶然見つけ, 読んでみる.

収められているのは「永遠の火」「時の川」「イワガミ」「被爆のマリア」の4.
いずれも原爆が物語に絡み合う.

「永遠の火」は, 結婚式のキャンドルサービスに「原爆の火」を使うことを提案する父と娘をめぐる物語.
60年前の原爆の火種を持ち帰ったという「原爆の火」(:23)を, その火を受け継いだ父は娘の結婚式で使ってほしいと願い出るのだった.
「平和とか、戦争反対とか、原爆とか、そういう強くて正しい社会的なことに、私の人生は一切関係なくこれまできた」(:27)と思う主人公である娘は, ごくごく普通の幸せ, 普通の結婚式を望み, 結婚式に原爆の火だなんて冗談じゃないと思う.
その一方で, 「そんなのはただの火なんだから割り切ればいい」(:39)と分かっていつつも, それが出来ない自分を見つけるのだった.
なぜ自分は原爆の火を拒否することも, あるいはただの火だと簡単に考えることも, どちらもできないのかと, わたしは葛藤する.
そして, 平和を祈る心について考えつつ (47), 父とコミュニケーションを取ってみようと思うのだった.

「時の川」は修学旅行で広島を訪れた中学二年生のタカオの話.
原爆資料館の展示を観てタカオは「核分裂の強烈な閃光がそれらの物質を変質させたのはわかる。なぜこのモノたちがここに展示されているのかもわかる。それくらいの理解力はある。だが、たぶんこれを展示した人たちが期待しているであろう何かを感じることはできない。逆にその期待の大きさを理解できるので、タカオはひどく居心地が悪かった」(:72)と思う.
そう思うような中学二年生と, 語り部であるミツコを巡る話である.

「イワガミ」は, 新聞社の資料室で偶然見つけた「磐神」という一冊の本を巡る話.
主人公である羽鳥は, その本に強く惹きつけられ, その著者である宮野初子を探すことになる.
羽鳥は, 「史上初の被爆国、日本。二十数万人を殺した原爆。でも、その加害国であるアメリカと日本は同盟国だ。アメリカはどうやら、日本に二個の原爆を落として悪かったとは思っていない。日本人はアメリカに対して強く謝罪を要求しないまま六十年が過ぎた。なにかが変だと思っていた」(:117)との思いから広島を書く記者だが, なぜ自分が広島を書くのか分からなくなっているときに「磐神」と出会ったのだった.
「磐神」は, 「すべてを受け入れる冷徹な自然な、底なしに慈しみ」(:137)が描かれている.
怒りや憎しみではなく, 「死んでいく者たちの記憶の底にある最も美しい場所として」広島を描いた(:同)宮野初子を探す旅は, 羽鳥のヒロシマではない本当の広島を探す旅(:168)へと繋がっていくのだった.

「被爆のマリア」は救われない現実を生きる女・佐藤の物語.
読んでいて辛くなるような日々(その日々を現代の闇といってしまえば興ざめだが, 決して特別な日々ではない)を生きる佐藤は, 長崎で被爆したマリア像を自分の救いだという (216) .
それを救いに, 壮絶な出来事の末に彼女はいう.
「マリア様、今日もなんとか生きています。」(:259)と.
人間の闇の部分をこんなにも生々しく書く作家だったのか, と驚きながら読んだ.

(写真は福島市の花見山(菜の花の黄色と桜の薄紅がとっても綺麗)と, 阿武隈川沿いの「Kawaberry cafe. 散歩するには少し肌寒い気温だったので, あたたかい珈琲が嬉しかったです)

(↓Amazonのリンクは文庫本です)