東北文教大学短期大学部開学50周年記念事業
「母のまなざし 父のひとこと」(開学50周年記念曲 発表会)
2016.09.03 / 山形グランドホテル
第Ⅰ部「うたの時間」では, 東北文教大学コーラス部により合唱が披露される.
ステージに上ったのはピアニストであり作曲家の谷川賢作さん.
「宿題」(谷川俊太郎・谷川賢作)から始まった合唱は, 「おとなになったら」(覚和歌子・谷川賢作) ,「みぎのてのひら」(同)と続き, 今回書き下ろされた「母のまなざし
父のひとこと」まで計4曲が披露された.
20人の合唱団(混声四部)によって歌われた記念曲は, スケールの大きなやさしいうただった.
第Ⅱ部「詩の時間」では, 谷川俊太郎・賢作親子により詩の朗読とピアノの演奏が行われた.
まずは谷川俊太郎さんによる「二十億光年の孤独」の朗読から.
続いて「ネロ」が朗読されたのち, ピアノのソロで「那須少年記」のテーマが奏でられた.
再び「みみをすます」(全てひらがなの詩. 改めて擬音語や擬態語の使い方がうまいなぁと思う
(この間の村田沙耶香さんの話を思い出しながら…). 静かだけれど, 壮大な詩)の朗読を経て, 最後はピアノによって「ダニー・ボーイ」が奏でられた.
(朗読とピアノ演奏は, 一緒にではなくそれぞれ単独で行われた)
休憩ののち, 第Ⅲ部「おはなしの時間」は, 谷川親子と大学教員2人, 司会者(アナウンサー・岩崎敬さん)によるトークセッション.
「うたになると(言葉の)意味は少し遠ざかるからいい」といった俊太郎さんの話が興味深かった.
また, 「子供たちを見ていていいなと思うことは, 人間の言語によってまだ毒されていないところ. 人間の自発性が奪われていない. それを大切にしなければならない」といった話も印象的だった.
最後の第Ⅳ部は再び「詩の朗読と音楽」の時間.
賢作さんの「おしゃまさん」の演奏(「ジャズもクラシックももっと
ごちゃまぜになればいい」とおっしゃっていたのが印象的だった)からスタート.
続いて, 俊太郎さんによる「ほほえみのわけ」, 「うんこ」, 「おならうた」などの朗読.
ことばあそびうたをはじめとする詩は, 無意味(ノンセンス)を言葉で書くことの難しさがあり, つくるのがとても大変なのだという.
さらに, 賢作さんの弾き語りによって「夜はやさしい」(岸田今日子・本木雅弘によって歌われた曲)が奏でられ, 俊太郎さんにより「生きる」が朗読された.
最後は賢作さんのピアノにより「その時歴史が動いた」のテーマ曲が演奏された.
アンコールとしてもう一度, 会場全員で「母のまなざし 父のひとこと」が歌われ, 今回の記念事業は幕を閉じた.
たっぷり2時間20分のプログラムだったが, ゆっくり, とても心地のよい時間だった.
(谷川俊太郎, 夏に取り組んだ合唱曲「ワクワク」(信長貴富 作曲) も楽しい歌詞でした. そして写真は山形市・麺屋ほんわかの「ほんわか魚雷」. 極太のちぢれ麺!)