井上荒野 (2015). リストランテ アモーレ. 角川春樹事務所.
key words:"黒い瞳" のメロディ, M
杏二がアモーレでつくる料理の美味しそうなこと.
読んでいるだけでお腹が空いてくる.
偲(と杏二)の父(偲に(帰宅前にお風呂を沸かしていてくれた父に触れ)「父というひどい男のいちばんひどいところは、無責任で嘘吐きで身勝手なのに、この種の心遣いをする心根も同時に持ち合わせていることだと思う。この性質は杏二にもじゅうぶんに受け継がれている」(:41-42)と思わせる, 父)もいい味を出している.
たしかに, 父子は似ている (恵方巻きみたいに見えてしまう(:227)ギャルソン姿は息子とは似ていないようだが…).
杏二の心を揺さぶる謎の女Mの正体が最後に明かされ(といっても謎だらけだけど…)小説は終わる.
その中で巻き起こる出来事はさまざまあるのだけれど, なんだか穏やかでやわらかい一冊.