2/10/2015

ナガオカケンメイ ナガオカケンメイの考え


ナガオカケンメイ (2006). ナガオカケンメイの考え. アスペクト.

key word:生活, デザイン

デザイナー・ナガオカケンメイが日々考えたことをまとめた, 日記帳のような一冊.
2000年の31日から2005年の113日まで書かれた文章が, およそ400ページの分量で収められている.

面白いと思ったのは, 目に見えないものをデザインしていく彼の仕事観とその発想力.
普段デザイナーの仕事といわれて思い浮かべるのは, なにか目に見えるもの, 手に取れるもののデザインであることが多い.
しかし, 例えば彼が代表を務める「D&DEPARTMENT」では, 「変わらないもの」と「変わって行く時代」を同居させることで「ロングライフ」という言葉を定義し直したり (252), 「わざわざ」来て「日常」を買ってもらう場所としてD&Dをデザインしたり(:338)する.
そんなふうに, 彼は手に取ってみることができる商品だけを商品とはせず, 会社を, お店を, コンセプトをデザインしていく.
それはたくさんの人と会って, 意見を交わし続ける彼の生活から生まれてくる考えで, 彼の「外から考える」, つまりは「生活者と一緒に考える」(:395)というスタイルに繋がるものだ.

(↓文庫本のリンクです)