パウル・クレー:だれにも ないしょ。
2015.07.05 - 09.06 / 宇都宮美術館
パウル・クレー(1879 - 1940)の作品展.
作品は, エントランスを挟んで左右に分かれたふたつの部屋に展示されていた
(エントランスにはクレーの年表や彼の日記の言葉が展示されている. あの時代にあってイクメンとして生きていたクレーの姿がみてとれる).
展示は第1章「何のたとえ?」, 第2章「多声楽(ポリフォニー):複数であること」, 第3章「デモーニッシュな童話劇」, 第4章「透明な迷路、解かれる格子」, 第5章「中間世界の子どもたち」, 第6章「愚か者の助力」の6つのセクションに分けられていた.
最初の展示はその多くが晩年の作品で, 可愛らしい作品が並ぶ.
画家の目に世界はどんな風に見えていたのだろうか.
まるで子どもの落書きのような作品たち.
色使いもとても心地よい.
デザインされた画面も, 極端にシンプルなものからものすごく書き込んだものまで, それぞれに味があって楽しめる.
第4章で展示されていた「花ひらく気をめぐる抽象」(1925年)は, 自分の中にあるクレーのイメージそのものの方形画.
観ていて落ち着く色の配置は, まるで静かな音楽を聴いているかのようで心地よい.
もうひとつの展示室は第5章と第6章の展示で, クレーの晩年, 子どもの落書きのような画を見せる.
不完全な天使たちを, 画家は何を思って書いたのか.
それは展覧会のサブタイトルが表すように, まさに謎だ.