小池隆英:絵画であること 展
2013.12.07 - 2014.01.26 / 山形美術館
新年開館初日, 小池隆英(1960年・米沢市生まれ)の個展へ.
山美での発表は1995年以来2回目だという.
今回の展示では現在までの代表作70点が掲げられている.
作品はどれもフライヤーから想像していたよりもずっと大きく, 伸び伸びしている (どの作品にもタイトルは無く,
展示番号のみ).
朝イチ, 誰もいない展示室でたくさんの色に囲まれていると, だんだんその色たちに包み込まれていくような錯覚を覚える. 静かな, でも確かな生命の蠢き…, そんなものが感じられた.
第一展示室はピンクや黄のいわゆる暖色系, 第二展示室は青やみどりの寒色系を中心にした作品が展示されている.
いずれも年代が進むにつれて, 絵具が薄く薄く, 軽やかになっていく. 二階展示室には大小さまざまな大きさ, 彩りの作品が並ぶ.
とてもゴージャスで心地よい空間に, 思わずため息が出てしまう.
小池は絵具の流動性に注目する.
そしてそのコントロールの難しさが安易な制作を防ぐとし, 「絵具を重層させる構築性とそれを突崩す偶発性のせめぎ合いが私の「絵画であること」かもしれない」という (展示室掲示の本人コメントより).
具体物がひとつも描かれていない画面に, 絵画として何を観るのか.
それは, 旋律の無い音楽を聴く経験に似ている. 聴いている/観ているようでいて, 実は聴き方/見方を逆に尋ねられている…, そんな経験だ.
※明けましておめでとうございます. 本年もどうぞよろしくお願いします!