10/13/2013

シャガール展


シャガール展
2013.09.03-10.27 / 宮城県美術館

今回のシャガール展では, 教会や公共施設を飾る作品 (とその制作過程), 舞台美術, タピスリー, ガラス絵など, マルク・シャガールの後半生の作品が紹介されている.

展示は3つの章に分けられており, 1章のテーマは「祝祭の空間:色彩の交響」だ.
パリ・オペラ座の天井画から始まる展示は, 一瞬にして観るものをシャガールの世界へと連れて行く.
「上部に、ちょうど鏡を置いたように、役者や音楽家たちの夢や世界が、花束のようになって反射したらな、と思いました」というシャガールの言葉どおり, オペラの様々な場面が描かれたそれは, まさに色とりどりの花束のよう.
火の鳥や魔笛 (パパゲーノ), ダフニスの衣装も紹介されているが, まるで夢の世界のようで, 思わず笑顔になってしまう.

続く第2章のテーマは「精神の光:祈りの造形」.
宗教建築のためのステンドグラスやその下絵が紹介される.
中でも, 仏・メッス大聖堂のステンドグラスが圧巻.
10年の歳月を費やして制作されたキリストの姿は, たくさんの青が丁寧に重ねられ (シャガール・ブルー), シャガールの信心深さや愛が伝わってくる美しい作品.
4面の巨大スクリーンを使って大聖堂の内部を体感できる空間も設けられており, 展覧会場でありながら様々に鑑賞することができた.

最後の第3章のテーマは「南仏での安息:晩年の境地」.
美しいガラス絵の数々が目を引く.
陶芸作品や彫刻も展示されており, シャガールの活動の幅広さを垣間見ることができる.

シャガールの色彩を, 絵画作品とはまた別の角度から存分に楽しむことができる展覧会だった.