björk「BIOPHILIA」
2011.10.05 / UICP-9043
ビョーク, 4年ぶりとなるアルバム.
どこか土着的なリズムにのった激しいダンスから, 美しすぎて切なく, それゆえに恐怖を覚えるような哀歌まで, 多岐にわたる表現の数々. 1枚のアルバムで, こんなにも多様な世界を表せるのかと驚く.
煌めく伴奏に反して, 叫び, 熱く語られる3曲目「Crystalline」.
不思議なエフェクトによる和音とハモりが印象的な5曲目「Dark Matter」(後ろにはそのリミックスも収録されている). ガムランをオルゴールにしたような7曲目の「Virus」も印象的だ.
そして, なんといってもやはり1曲目「Moon」がカッコいい.
ビョークは話すように歌う (それはよくも悪くも, やはり「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のイメージに重なってしまう).
いや, ほんとうに話しているのかもしれない. もし楽曲から音だけを脱がせることができるのなら, 残るものはビョークの話し声, あるいは語りだけだろう.
それだけ何にも捉われることなく, 干渉もされず, ビョークは語る.
もっといえば, ビョークの語りが音を生き生きとさせているような部分もある.
それは, 従来のポップス(伴奏を従えるボーカル)というものとは全く違う図式のように思える.
さて, この「BIOPHILIA」, 「ビョークが進めるマルチメディア・プロジェクトで、アルバム、アプリ、ウェブサイト、カスタム・メイドされた楽器、ライヴ、教育的なワークショップといった様々な要素で構成されているもの」だという (以上, web(プレスリリース)より).
ビョークのwebサイトや, 公開されているいくつかのPVもとてもcoool!子ども向けのワークショップでは, テクノロジーと音楽の融合領域を紹介するプロジェクトもあるという.
ジャンルを跨いだ音楽を発表し続けてきたビョークらしい, ボーダーレスな活動である.
Biophilia