山形交響楽団 第260回定期演奏会
2017.04.16, 3 pm start / 山形テルサホール
桜が一気に花開いた山形市内.
今日の気温は20度を超えるあたたかさ!
そんな中, 2017年シーズンのオープニングを飾る山響定期へ行ってきた.
最初に演奏されたのは西村朗「弦楽のための悲のメディテーション」.
2012年の委嘱作品の再演.
緊張感のあるやりとりを経てラスト, 強烈なpizz.を経て静かに消えていくVlaの音が印象的だった.
2曲目はドヴォルザーク「チェロ協奏曲 ロ短調 作品104」.
ソリストはカメラータ・チューリッヒのソロ主席, 新倉瞳.
飯森さんのトーク(ドヴォコンがなぜこんなに有名になったのか)のあと, 演奏ははじまった.
第一楽章から哀愁たっぷりのソロが絶品.
Flとのduoも素敵だった.
終盤, ファンファーレを導くソリストは, さながら民衆を導く自由の女神のようだった.
第二楽章はやわらかい木管アンサンブルを受け継ぎ, しっとり・まろやかにうたうソロがこれまた絶品.
スラヴ風のメロディが切なくうたわれる.
カデンツァも美しく, うっとりするような演奏だった.
第三楽章はこちらもソロがbrava!
難曲を力強く弾ききった.
今日の演奏では管楽器群の輝きもキラキラと素晴らしかった.
度重なるカーテンコールを受け, ソリストが弾いてくれたアンコールはSecundaの「Bei mir bist du Schon」(イディッシュ語で「素敵なあなた」という意味のジャズのスタンダードナンバー. ちなみにセクンダは「ドナドナ」の作曲者だそう).
ピチカートで静かに始まった伴奏にのせ, 何語か分からない どこかジプシー風(?)のエキゾチックなうたを静かに歌いだした(!)ソリスト.
TubaとTpが間奏で次々と飛び入りしたのも面白かった.
休憩を挟んで後半はモーツァルト「交響曲 第41番 ハ長調「ジュピター」K.551」.
暗譜で振るマエストロ.
第一楽章は軽快・軽やかな演奏.
バロックティンパニの朴訥とした響きを久しぶりに聴く.
素朴な第二楽章を経て, 第三楽章は優しいメヌエットだが, メリハリのある小気味よい演奏だった.
第四楽章は安定感のある演奏で, 最後まで心地よく駆け抜けた.
それにしても, この緻密な設計図をひと月あまりで書いたというのだから, モーツァルトはやはりすごい.
そしてその緻密な設計図を軽やかに, そしてダイナミックかつ遊びごころたっぷりに演奏した山響も素晴らしい.
終演は17時15分.
今シーズンの山響も楽しみだ.