11/15/2012

メトロポリタン美術館展


メトロポリタン美術館展 大地、海、空:4000年の美への旅
2012.10.06 - 2013.01.04 /東京都美術館

東京都美術館のリニューアルオープンを記念して開催されている「メトロポリタン美術館展」.
今回の展示のテーマは「自然とは何か」, なのだという.
紀元前のエジプトから現代の日本に至るまで, いつの時代もアーティストにとって自然は神秘的であり, アートの対象であった.
本展では, メトロポリタン美術館(1870年開館)の4000年にもわたる膨大なコレクションのなかから, そんな自然を表した作品133点が公開されている


その中には, 日本初公開となるゴッホの「糸杉」もある.
初めて観たその杉は南仏の光をたっぷり浴びて, 自分のなかにあった印象より随分素朴な感じだった.
燃え上がる杉の木に不思議な三日月を合わせて, ゴッホは何を思ったのだろうか.


ケンセットが描く夕陽と, 18世紀半ばにカナレットが描いたというヴェネツィアの街の鳥瞰図も印象的だった.
光そのものを主題にしたケンセットが描く「海上の日没」.
幾重にも重なる鮮やかで複雑な光に吸い込まれるようだった

カナレットの「ヴェネツィア:サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂」は, 近づいて観てみると, その筆の細かさに驚く.
傾きかけた陽の光を浴びて拡がりを見せる街を細かに描く術は, まさに職人によるもの.
惚れ惚れした

古代メソポタミア文明の工芸品から, 彫刻, 油彩, そして写真まで, 地域も年代もさまざまな作品を存分に鑑賞できる展示であった.

(「メトロポリタン美術館」といえば, やっぱり大貫妙子を思い出してしまいます…)